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ご縁結び
「いらっしゃいませ」
私は今、祖母が営んでいた駄菓子屋で働いている。木造建ての昔ながらのお店で、値段も初期設定のままだから百円玉を握りしめてくるチビッ子も多い。棚に陳列された駄菓子を、まるで宝石でも見るかのように瞳を輝かせながら選ぶ姿は天使そのもの。
通学路の途中にあるから部活帰りの学生も多く、夕方になると賑やかな声が響きカップ麺の香りが店内に漂っている。駄菓子屋にしては繁盛している方かもしれない。
「こちらをいただきます」
「ありがとうございます。五円です」
今日で二十日目だろうか。三十代半ばくらい、スーツ姿の男性は何故か五円チョコだけを毎日買いに来ている。珍しいお客さんだ。
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