アイドル・サークル

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アイドル・サークル

今日から夢にまで見た大学生活が始まる。 2月の合格発表までは毎日死ぬ気で勉強をした。 私が東王大学を第1志望に決めたのは3年生になる直前の春休み。 夏休みには塾の夏期講座に通い、学校が始まってからは職員室で先生を捕まえて、わからない問題を聞きまくり、家に帰ってからは食事とお風呂の時間以外の時間を勉強机に向かう事で、ギリギリで合格を掴んだ。 東王大学は偏差値は中の上だが、文武両道で学生活動が盛んな大学として知られている。 「愛、サークルは決めた?」 「まだ決めてないよ。良かったらこれからサークルまわりしない?」 昨日の入学式の後、教室から外に出ると、サークルの勧誘で歩くのが困難な程だった。サークルのチラシはカバンから溢れている。 サークルに入りたいとは思っているけど、昨日はチラシだけ受け取って帰った。 入学式の後、教室で最初に声をかけてくれたのが、今、話しかけてきた山本杏花(やまもときょうか)。 パッチリとした二重で、長いピンクの巻き髪に白のワンピース、スタイルもバッチリ。 とても目立つのに、誰にでも気さくに話しかける感じの良い子。 杏花とはすぐに意気投合して、今日はずっと一緒に行動している。 私は三重県出身、杏花は岐阜県出身で、隣の県という安心感がすぐに仲良くなれた理由かも。 「母に髪をピンクに染めたって言ったら、黒に染め直しなさいって怒られちゃった」 と、困った様に言う杏花は本当に可愛いと思う。
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