仕事人ももえ(百円均一)

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 息を切らして走り、わたしは教室のドアを開けた。  だがそこに、彼女の姿はなかった。端っこの席に一人座っていた見知らぬ生徒は、わたしの形相を見てさぞ驚いただろう。朝一番に見るものではない。  7:59の出来事である。  わたしの通う私立明上学園(しりつめいじょうがくえん)は、俗に言う“変人”の宝庫だ。  今、わたしが探している彼女もその一人……
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