紅白饅頭

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大会が始まった。 予選リーグの相手は明らかな格下で、誰が出ても勝てる相手だった。 にもかかわらず、スターティングイレブンには改源の名前があった。一方的に攻め続けるだけの試合で、チームの最後尾に立っていればよかった。 改源の故障はみんなの知るところであった。だからそこにボールがいかないよう、誰もが体を張って守り続けた。 後ろの声は神の声。改源はそんな味方たちが動きやすいように、90分間コーチングを続けた。麻酔を打った足で仁王立ちしながら。 予選リーグ、日本の被シュートはゼロだった。
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