心の眼開眼委員会

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心の眼開眼委員会

○瞳の部屋(昼) 藤森と瞳は二人でテレビを見ている。 (テレビの中の映像) 表彰台の上に立つ藤森。 幕には宇宙工学懸賞論文と書かれている。 インタビュアーが藤森に尋ねる。 インタビュアー「藤森さん、この論文は宇宙工学の発展に大いなる功績をもたらすものです。心境はいかがですか?」 藤森「子供のころはずっと宇宙に興味を持っていました。両親が言うには、幼い頃ずっと空を見て、雲やら星やらに話しかけていたみたいです。その成果が今出たのかなと思っています。」 瞳はその映像をみて、藤森に抱き着く。 瞳「すごいほんとに!もう有名人じゃん!ほんと自慢の彼氏だよ藤森くん!!」 藤森は瞳を振り払う。 藤森「将来のためにやっただけだから、就職のために。子供のころは宇宙に興味あったけどな。今はもう……。」 藤森はそう言ってリュックを背負い部屋を出ようとする。 瞳「え、もうかえっちゃうの?ご飯は?藤森くんの分もつくっ……」 藤森「わりぃ、疲れてるんだ。じゃあ。」 瞳の言葉を遮るように藤森は部屋を出る。 ○自宅への帰り道 (夕方) 藤森はぼんやりと空を眺めながら空を見上げ歩いている。 藤森「なんだよ。雲、てめーはよ。ただただただただ俺らのはるか上を過ぎていくだけ。それで楽しいのか?」 後ろから声が聞こえ、振り返るとそこには丸地 が居た。 丸地「おーい。藤森~!」 藤森「丸地か。お前居残って課題やるんじゃなかったのか?」 丸地「めんどくさくなったからやめてきた!お前こそ、今日瞳ちゃんとデートじゃなかったのかよ。」 藤森「もうあいつはいいよ。会ってもセックスしかすることねーし。」 丸地「おまえさ~、もう瞳ちゃんのこと冷めちゃったのかよ。」 藤森「冷めてるね。てゆうか、この人生自体に冷めてきてる。恋愛とか、勉強とか、サークルとか、最近何に対しても興味わかねえっつうか、面白みを感じないんだよね。何かワクワクするような面白いこととか生きがいねーかなって、ちょうど雲に八つ当たりしてたとこだよ。」 丸地「雲に八つ当たりってどーゆうことだよ。宇宙工学論文最優秀賞の人が言うセリフとはおもえねーなぁ~。」 丸地は鼻で笑う。 丸地「お前さ、土曜日暇?」 藤森「何で?」 丸地「これ、行かね?今日届いたチラシなんだけど。透視が出来るようになるレッスンだってさ、体験無料らしいし、面白そうじゃね?」 丸地は藤森にチラシを見せる。 【精神を研ぎ澄まし、神に祈り、心の眼を開眼すれば、貴方も全ての万物が見えるようになる!お試しレッスン無料。 詳しくは○月○○日(土)の朝9時に窮零教会へ! 心の眼開眼委員会サプナ】 藤森「何だよこれ、面白そうだけど怪しすぎだろ!」 丸地「無料なんだし、透視できるようになったらラッキーって感じで行ってみようぜ。」 藤森「えー、朝起きれたらな~。前日飲み会だし、起きれなかったら俺パスで。」 丸地「透視出来るようになったら女子風呂覗きにいこうな!」 藤森「そんな不純な理由の奴が心の眼開眼できるのかよ。」 藤森は呆れながらチラシに目をやった。 ○窮零教会前 (朝) 丸地と藤森は、教会のドアの前で躊躇っている。 丸地「お前、先入れよ!」 藤森「何か、不気味だもん。入るの緊張するよこれ…。」 丸地「いいから、はやく!!」       丸地は藤森の背中を押す。藤森は恐る恐るドア を少しだけ開けた。少しの隙間から中を覗く。 信者たち「999999999999999」 教祖「いこう空へ。」 信者たち「999999999999999」 教祖「いこう宇宙へ」 信者たち「999999999999999」 教祖「いこう命へ」 信者たち「999999999999999」 教祖囲むように信者たちは円になり土下座をしている。 藤森「何だよこれ…。気味が悪すぎる。いこう命ってなんだよそもそも。」 丸地「ツッコミ所それだけじゃねえだろ。あいつら何言ってんだ?9?」 藤森「なあ、帰ろうぜ、これ絶対なんかの変な宗教だって。テロとか起こすんじゃねえか。」 丸地「そ、そうだな。これはやばいやつだ。帰ろう!」 ドアをそっと閉めようとした瞬間、丸地が大き なくしゃみをしてしまう。 藤森「バ、バカ…!」 信者が一斉にこっちを向く。 教祖「馬鹿者。精神を研ぎ澄ませよ、愚か者。物音如きに連呼を止めるでない。」 信者たち「すいませんでした。」  信者は一斉に頭を地面につけ、指を噛み始める。 教祖「邪念を放出せよ。」  信者たちはその言葉を聞くと、指を自ら喉の奥 に入れえずき始める。 藤森と丸地はそれを見て逃げようとするが、教 祖に呼び止められる。 教祖「ムタらは、何をしにここへ来たのだ。」 藤森と丸地は顔を見合わせる。 丸地「いや…。あの、その…。チ、チラシを見まして…。」 教祖はにこりと笑った。 教祖「アモン、ムタらをもてなしてあげなさい。」 信者の中の一人がえずきを止め、立ち上がり藤森と丸地を奥の部屋に引き連れようとする。 藤森「いや、僕らもう、帰るんで、だ、大丈夫です。」 アモン「先生が歓迎してくれているんだ。感謝をしなさい。」 強引に藤森たちは引っ張られていく。 ○窮零教会内部 奥の部屋に入れられ、二人は座らされる。 教祖「よく来てくださいました。私は心の眼開眼委員会会長、橋本清 兼、サプナ教 教祖のアンゴラです。」 教祖は手を差し出し二人と握手をする。 教祖「ムタらは心の眼を開眼したくてここに来たのかな?」 丸地「はい!そうです!心の眼開眼したいです!」 藤森は驚いた表情で、丸地に小声で問う。 藤森「お前、正気か…!?」 丸地は藤森を無視して続ける。 丸地「どうやったら心の眼開眼できるのでしょうか。」 教祖「サプナは宇宙をつかさどった者と言われている。サプナは宇宙の真理を追究し精神を神に捧げ、精神を宇宙の神と同化させこの世の真理を知った。その時サプナは心の眼を開眼させ、全てを知るものとなり、自身が神となった。私はサプナの後継者、私は心の眼を開眼した。サプナが神となった今、心の眼の開眼方法を知っているのは私しかいない。」 藤森「おいおい、何言ってんだよ。狂ってるぞこいつ…。丸地、気づけ、こんなのでまかせだ。」 アモン「おい!貴様!」 教祖「アモン。集中だ。」 教祖は、藤森に殴りかかろうとしたアモンを止 める。 アモン「はい。集中!集中集中集中集中…。」       アモンは自分の額を殴り続ける。 教祖「集中止め!」 アモンは手をとめて、直立不動で一点を見つめ る。 教祖「すまないな。気性の荒いやつでな。話を戻そう、ムタらが心の眼を開眼したいのなら、私の下で修業に励む事が一番手っ取り早い方法だろう。」 藤森「ばからしい、帰るぞ!丸地、何にも面白くねえ、ただ口から出まかせ言ってるだけだよこいつ!」 藤森は丸地の手を引っ張るが、丸地は振り払う。 丸地「じゃあさ、心の眼を開眼してるのなら、このケースに入ってる物当てて見せてくださいよ!」 丸地はポケットから箱を取り出す。 教祖「ふっ…。お安い御用ですよ。」  教祖は目を瞑り、箱に手をかざす。 教祖「笑わせないでくれムタよ。何も入っておらんではないか。」 丸地は箱を開けた。何も入っていない。 丸地「すげえ!!引っかからなかった!おいマジかよ。本物じゃねーか、なあ藤森!見ただろこれ、本物だよ!」 藤森「いや…。お前、こんなことで…。」 教祖「超常現象を信じがたい気持ちは実にわかるムタよ。だがこれが真実。サプナ教は宇宙の真理。ムタたちにはまだ理解し辛いだろうが、いつか分かる時がくる。」 丸地「藤森!信じてみようぜ、退屈な毎日に飽き飽きしてたんだろ。こんなワクワクするの初めてだぜ俺!体験だけでもさせてもらおうぜ!」 藤森「んー。」 教祖「藤森君。信じきれないのなら、まずこの聖水を飲んでみたまえ。サプナが愛してやまなかったとされる聖水だ。これを飲むと短時間だが宇宙の真理を感じ開眼を体験する事ができる。」 アモンがグラスに入った水を差し出す、丸地はその瞬間一気に水をのみほす。 丸地の目が見開く。 丸地「すげえ!!世界が輝いて見える!!なんだこれ、凄い、凄すぎる!」 藤森「本当かよ。」 アモン「これが、アンゴラ様とサプナ様の見ている景色だ。」 丸地「これが、心の眼の開眼…。」 教祖「さあ、藤森君も遠慮せず、ぐいっと。」 藤森は恐る恐るグラスを持ち、少しづつ聖水を 飲む。 藤森の目が見開く。 藤森「確かに…。違う。世界が変わる……。」 アモン「これが、開眼だ。聖水は修業に励んだご褒美として与えられる。効き目は十分。また開眼を体験したければ、しっかりと修業に励む事だ。」 丸地「はい。励むために頑張ります。」 藤森「これはなんだ。覚せい剤か何か?とりあえず、ここは危険すぎる。騙されちゃだめだ。丸地!」 教祖「来週、月に一度の我々サプナ様を祀る祭典がある。その祭典に参加してくれた者全員に聖水を配る。祭典にきてくれるか?ムタたち。」 丸地は頷くが、藤森は机を叩き、走って部屋を抜け出す。 藤森「付き合ってられるかよ!馬鹿馬鹿しい!!」 アモン「まて!!」 教祖「アモン、大丈夫だ。彼は時期戻ってくる。私には見える。彼の未来が……。」 教祖は不気味にほほ笑む。 ○藤森の部屋(夜) 藤森は布団に包まり怯えている。 ドアをドンドンと叩かれ続けている。 ドアの外「キミョムリョジュニョライナムフカシギコウ……」 ドンドンドン。ドアが鳴る。 ドアの外「ホウゾウボウザインニンジザイセイジッサイ……」 ドンドンドン。ドアが鳴る。 藤森「もうやめてくれ!!入団しないって言ってるんだ!毎晩毎晩うるせえんだよ……」 ドンドンドン。ドアが鳴る。 藤森の心「警察に言いたい……。でももしあの水が覚せい剤なら俺は……。」 藤森は布団に包まり、耳をふさぐ。 ○一週間後 大学(昼) フラフラと廊下を歩く藤森。目が虚ろになっている。 教授にぶつかる。 教授「藤森くん、どこ見て歩いてるんだ。気をつけなさい。 そういえばこないだの宇宙工学のテスト、平均以下だったが大丈夫かね。論文が最優秀賞だったからといって油断しててはいかんぞ。」 藤森は先生の目を睨むように見る。 藤森「分かってますよ……。」 そう言ってフラフラと去っていく藤森。 倒れそうなところを瞳に支えられる。 瞳「ちょっと!藤森くん大丈夫?!最近何か様子へんだよ!」 藤森「瞳……。ありがとう。最近いろいろあって、全く寝れてないんだ。」 瞳「なにがあったの!話して!全部!」        × × × 瞳「そうなんだ……。大変だったんだね。話してくれてありがとう。今日うちに泊まりにきなよ!私の家まではそいつらも追ってこないでしょ?」 藤森「いいのか?助かる。本当に……。迷惑かけてごめん。」 瞳「藤森くんがつらいとき助けるの当たり前じゃん!彼女ってそういうもんでしょ!」 藤森は今までの瞳に対しての対応に反省し少し 涙を浮かべた。 〇瞳の部屋(夜) 二人で一緒にベッドに入っている藤森と瞳。 瞳「久しぶりだよね、こうやって一緒に寝るの。」 藤森「ああ、今日はぐっすり寝れそうだ、本当にありがとう。」 瞳「藤森くん、最近ずっと素っ気なかったから。心配したんだよ。」 藤森「ごめん、だけどもう心配させない。お前のやさしさに俺は……」 藤森はそう言って瞳に抱きかかろうとする。 瞳「ありがとう。でも、ごめんね?」 藤森「ごめん?」 瞳は抱きかかろうとする藤森を抑え、すかさず 手に手錠をかけた。 藤森「瞳!なにするんだ!」 瞳「ごめんね、藤森くん。私、知っちゃったの。」 瞳の部屋のドアが開き、中から信者たちが入ってくる。取り押さえられる藤森。 藤森「瞳!おまえ、まさか!!」 瞳「聖水をのんで知っちゃったの、藤森くんの本当の気持ち。教祖様に言われた、全てを視通せるサプナ様の力を借りれば藤森くんの心の中も知ることができるって。最近藤森くん冷 たかったから不安だったの、本当に私のこと好きなのかって。」 藤森は抵抗しているが信者たちは強引に部屋の外に連れていく。 瞳「セックスのためだけに付き合ってたんだね。」 瞳はそう捨て台詞を吐き、部屋を出た。そして信者たちは、藤森を担いで、瞳の後を追った。 ◯祭典場 (夜) 教祖と信者たち、アモンと仮面をした男が談笑 している。 信者たちに取り押さえられながら、藤森が歩いてくる。 教祖「よく来たね藤森君、さあ、今日はムタの歓迎パーティーだ。」 仮面の男が、藤森を祭典の正面にある舞台の に連れていく。 藤森「おい!放せ!!」 教祖が、マイクを持つ。 教祖「さあ、ムタたち、今日は私たちに新しい仲間が加わる。藤森君だ!」 信者たちが一斉に拍手をする。 教祖「さあみんな、入団の儀式だ。グラスを構えるのだ。」 信者たちは一人一人聖水の入ったグラスを構える。 藤森「聖水!!」 教祖「藤森君、今日の主役は君だ。入団の印に君にはこれを一気に飲んでもらおう。」 藤森「待ってくれ入団するとは一言も言ってな……。」 藤森の言葉が終わる前に、仮面の男が、聖水の 満タンに入っている大きなタライを差し出す。 教祖「さあムタたち、乾杯だ!!アジャネイファン!!!」 信者たち「イムラルハスターーーーーーーー」 その言葉と同時に、信者たちは乾杯し、聖水を一気に飲み干す。 藤森は仮面の男に強制的にタライいっぱいを飲まさせられる。 藤森は飲み干し、その場に倒れる。 教祖「よくやった、チュウエイ。君のおかげだ。」 仮面の男「ありがとうございます。アンゴラ様。」 仮面の男は仮面を外す。その正体は丸地。 丸地「演技に自信はなかったのですが、サプナ様の力を借り、うまく藤森を教団に入団させることができました。彼は非常に優秀な人材です。」 教祖「有名国公立大学宇宙工学部主席、宇宙開発の研究にしっかり貢献してもらおう。藤森君には。いや、藤森君じゃないな、正式な名前をあげなければ。」 丸地「もうあげるのですか!?アンゴラ様から名をもらうのは信者たちの夢、認められた証拠!入団したばかりのこいつにあげていいのですか!」 教祖「チュウエイ!!集中だ。」 丸地「はい。集中集中集中集中集中集中集中集中集中」 丸地は自分の額を殴り続ける。 教祖「集中やめ。いいのだ、藤森君はサプナ教の柱になってもらうのだから。」 教祖は倒れている藤森の顔に手を当てる。 教祖「ムタの名前は、ヒョヒョヒョイだ。ヒョヒョヒョイ、さぁ立ち上がるのだ。」 藤森は目を覚ます。教祖の手を握る。 藤森「アンゴラ様。お名前、ありがとうございます。我の名は、ヒョヒョヒョイ。」 丸地「ヒョヒョヒョイ、よろしくな。」 藤森「丸地!?」 丸地「丸地じゃねえよ、チュウエイだ、俺の名前は。」 その瞬間アモンが信者を縛って走ってきた。 アモン「教祖様!アンゴラ法17条、聖水以外の生水を飲んではならず。をこいつは破りました!厳罰な処分をお願いします!」 信者「違うんです!教祖様。唇を切ってしまい、血を水で洗おうとしたら1滴、1滴だけ口の中に入ってしまったのです!許してください!」 教祖「我々の血、骨、肉、すべてはサプナ様へのものであろうが馬鹿たれが。それを洗い流すなど言語道断、ヒョヒョヒョイ、最初の仕事だ。この愚か者の血、骨、肉をサプナ様の元へ届けさせるのだ。」 藤森「はい!」 藤森は泣いている信者の髪を引っ張り、別室に連れていく。 丸地「これで剥いて、取り出せ。」 丸地は藤森に大きな包丁を渡す。藤森はそれを受け取る。 藤森と信者は部屋に入り、藤森はドアを閉める。 祭典上に信者の悲痛な叫びが鳴り響く。          × × ×        血まみれの藤森が包丁を持ち部屋から出でくる。 丸地「よくやった、ヒョヒョヒョイ。」 アモン「これでお前も晴れてアンゴラ様の元で力をつけることができるな。」 アモンは藤森の方に手を置く、しかし藤森は振り払う。 藤森「なぁなぁ、お前らの見たい景色はアンゴラ様の見ている景色なのか?」 丸地とアモンは目を見開く。 藤森「少なくとも、俺は違う。俺はサプナ様の見ていた景色を見たい。宇宙の全てを知ったサプナ様の……」 藤森は、丸地とアモンの肩を組む。そして耳元で囁く。 藤森「アンゴラの意思を継ぐのが目的ではないだろ?アモン、チュウエイ。目を覚ませ、俺らの宇宙意志はサプナ様の物だ」 アモンと丸地は驚きを隠せない表情をしている。 藤森はグラスを持ち、教祖の元へ走る。 教祖「ヒョヒョヒョイ、最初の仕事の遂行ご苦労。さぁ、改めて乾杯でもしようじゃないか。」 藤森「はい。ありがたいお言葉です。私がお注ぎします。」 藤森は教祖のグラスに水を注ぎ入れる。 教祖「では、ヒョヒョヒョイの今後の活躍を祈って。アジャネイファン!」 藤森「イムラルハスタ!」 教祖と藤森は乾杯をし、お互い一気にグラスの 中の水を飲み干す。 藤森はその瞬間、ニヤリと笑う。 そして教祖の心臓に、包丁を刺す。 教祖「ヒョヒョヒョイ!何をしているのだ……」 藤森「アンゴラ法17条、聖水以外の生水を飲んではならず。をあなた、いやムタが破ったからですよ!」 藤森が更に心臓に刺し込む。 教祖「藤森いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!貴様ああああああああああああああああああ!!!!!!!」 アモンと丸地が駆け寄ってくる。 教祖「おい!!お前ら、あいつをとりおさえろおおおおお!」 暴れる教祖を、アモンと丸地が取り押える。 藤森「残念だったな。俺らの意思はサプナ様にあるんだよ。アンゴラ、お前はもう必要ない」 教祖は叫びながら崩れ落ちた。 藤森は教組の持っていたマイクを拾う。 藤森「サプナ教は生まれ変わる!!!さぁみんな、サプナ様を祀ろうではないか!!!ポンデラファニソン!!!」 信者たち「チャラマイカ!!!!!」 〇窮零協会研究室(夜) 白衣を着て研究に打ち込む藤森。 パソコンの近くには聖水が置いてある。 藤森は研究室の窓から夜空を見上げる。 藤森「なぁ、星。俺わかったよ、俺はサプナ教の為に、この命の全てを捧げるんだ。」                                  終   
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