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初めての告白は、入学式の3日後。
成績に関して下の中の私が特進クラスの彼と会える場面はあまりないので、下校する彼を校庭で捕まえた。
声をかけると「どうしたの?」と優しく振り向いてくれて、胸がキュンとした。
それまで遠くから見るだけだった壱也くんに近づくと、おチビな私はだいぶ見上げるかたちになって。
それでますますドキドキしたのを覚えてる。
とにかく友達に!お近付きにならなくちゃ!と勇気を振り絞った私は、勢い余ってとんでもないことを口走った。
「初めまして!好きです!付き合ってください!」
ハッとして恐る恐る顔を上げた時の、彼のビックリした顔は今も忘れない。
隣にいた友人2人は、気を遣って先に帰ってくれていたと思う。
沸騰寸前の顔とは反対に、萎んでいく勢いと、消えそうになる声。
「あっの…えっと…違うんです!いや、違くはないんです!それで…その……私、1年E組の沢野凜です……」
私が彼と違って秀才じゃないことはクラスでバレてしまったなと、少し頭を過ぎった。
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