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あれから3日。 壱也くんとは話せていない。 A組までの廊下を途中まで歩いても、教室の後ろの扉まで行っても尻込みしてしまう。 今まで彼にどんな風に声をかけていたのかさえ分からなくなってしまった。 好きでいれば、一途に想ってさえいれば、きっとどうにかなると思っていた自信は、あっという間に萎んでしまった。 遠くに彼の姿を見かける度にキュンとしていた胸は、今ではチクッと痛むようになった。 昼休み。 今日こそはと、真希とお弁当を食べてすぐにこのままじゃだめだと、弱虫で引き返したがる体を引きずりA組へ向かう。 後ろの扉から覗くと、クラスはザワザワとしていて、皆それぞれ昼食をとっている。 珍しく、壱也くんの姿はない。
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