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「それにしてもさー。嫌んなるなー。毎回毎回、1位はあいつだろ」
「いいよなー。天才は。てかオール100点とか反則だろ」
声の主は、クラスの真ん中の列で昼食をとっている2人の男子だった。
そして気づけば私はずんずんと彼らのもとへ向かっていた。
「違うよ!壱也くんはみんなよりもずっとずっと努力してるから1位なんだよ!それを続けるのってすごく大変だと思う!悔しかったら陰口言ってないで勉強したら!?」
…あ。
やってしまった、と思った。
クラスが静まり返って、みんな私を見てる。
目の前の男子2人は唖然として。
あの日校庭の真ん中で何を学んだの、私。
私よりも遥かに頭のいいクラスで、下の中な私が、えらそうになんてこと言っちゃったんだろう。
とりあえず、明らかに不自然だろう愛想笑いを周囲に振りまいて、退散しようと振り返ると─
私の入ってきた扉には壱也くんが佇んでいた。
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