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私がぐずぐずしてる間に、今日で約束の100日目。
あの事件から今日まで、私の噂は尾ひれも背びれもついてかなり広がった。
新聞部はあってもなくても一緒だったな、と気づく。
それで再びゾンビ化して落ち込む私に、真希は励ましたり貶したり褒めたりと色々してくれた。
でも。
あんな醜態を晒した私に望みがあるわけない。
ましてや壱也くんは学年トップの秀才さん。
彼が私なんて選んだら、それこそ一面記事だ。
これ以上、大好きな人に迷惑をかける前に、身を引こうと思った。
それに、壱也くんの未来の彼女を想像すると、どうしても私ではなく、あの時の綺麗な女の子がしっくりときて。
初恋だもん、それでいいじゃない。
と何度も自分に言い聞かせる。
「凛、今日じゃないの?約束の日」
真希、覚えててくれたんだ。
「うん、でも、もういいの」
その言葉を肯定すると思ってた真希は、まさかの返答をした。
「それじゃ、橘くんはただ迷惑かけられただけになるよ?」
えっ?
言葉が出てこない私に、真希は続ける。
「凛はさ、なんだかんだちゃんと好きになったじゃん」
「どういう意味…?」
ちゃんと好きになった…?
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