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「初めの頃はさ、ただ好き好き言って、芸能人への憧れみたいな、ただのファンみたいな感じだなって呆れてたの私。でも、最近はちゃんと恋する顔になってたよ、凛」
「…。」
真希の話を何度も頭の中でリピートした。
「A組で啖呵切ったのだって、橘くんのことをちゃんと想ってるからこそできたことだと思うし」
「…。」
「2か月前とは違うでしょ?橘くんへの気持ち」
2ヶ月前だって、確かに壱也くんが好きだった。
でも…きっと今が100パーセントだから、そうなった今だからこそ、あの頃の私は60パーセントくらいだったのかもしれない。
「それとも凛、もう好きじゃないの?」
「好きだよ!!!」
咄嗟に大声を出してしまった。
クラスの大半の目が私に集まり、失礼しましたと小さく呟いた。
そんな私を見て、真希は笑ってる。
久しぶりに見る、真希の優しい笑顔。
「放課後、私、もう一回だけ壱也くんに言う」
「応援してるよ」
「ありがとう、真希」
私は、ぎゅっと手を握りしめた。
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