46人が本棚に入れています
本棚に追加
1
約束の100日まで、あと1週間。
これまであっという間だった。
7月に入り、容赦ない日差しががジリジリと照りつける。
あの頃、男女ともブレザーだった制服は、白シャツとセーラーになった。
私がこの学校を受験した理由は、ブレザーとセーラーが楽しめるから、なんてしょうもない理由だったことを思い出す。
思えば壱也くんのこと何も知らずに告白したけれど、中身を知るほど好きになった。
学力テストでは毎回1位。
幼い頃から続けている為、剣道部へ所属。
好きな食べ物はからあげ。男らしい。
嫌いなのはニンジン。可愛い。
男女平等で誰にでも優しい。
先生にも好かれる。
それから、実はお笑いが好き。
そして─
彼女はいない。
元カノもいない。
アピールの仕方なんてわからない私は、とにかく朝昼帰りに挨拶をして接点を作り、学力テスト1位のお祝いには手作りのクッキーを渡した。
最初のコメントを投稿しよう!