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約束の100日まで、あと1週間。 これまであっという間だった。 7月に入り、容赦ない日差しががジリジリと照りつける。 あの頃、男女ともブレザーだった制服は、白シャツとセーラーになった。 私がこの学校を受験した理由は、ブレザーとセーラーが楽しめるから、なんてしょうもない理由だったことを思い出す。 思えば壱也くんのこと何も知らずに告白したけれど、中身を知るほど好きになった。 学力テストでは毎回1位。 幼い頃から続けている為、剣道部へ所属。 好きな食べ物はからあげ。男らしい。 嫌いなのはニンジン。可愛い。 男女平等で誰にでも優しい。 先生にも好かれる。 それから、実はお笑いが好き。 そして─ 彼女はいない。 元カノもいない。 アピールの仕方なんてわからない私は、とにかく朝昼帰りに挨拶をして接点を作り、学力テスト1位のお祝いには手作りのクッキーを渡した。
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