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「ねえ、凛どうしたの?今日ゾンビみたいだけど」
「あ、真希…」
「うわ、酷い顔」
「うん…冷やしたけど治らなくて。おはよ」
「いやもう昼だし」
今朝、起きたら時計は驚きの時間を示していた。
「あのね、壱也くんは本当は迷惑なんじゃないかって考えたら眠れなくて…」
「は?今更?そりゃ迷惑でしょ!」
真希は自分にも他人にも厳しくて、物事をはっきり言う。
でもそれは誰よりも正義感があって思いやりがあるから…と分かってはいたけど。
「ひどいー…」
「え、自覚なかったの?」
だって気持ちを伝えてしまったんだから、後戻りなんてできなかった。
周りが見えてなかった。
前しか見えてなかった。
昨日散々泣いたのに、また泣けてくる。
「私、どこを間違えたんだろう」
鼻をすすった。
「最初からでしょ!」
「えっ!最初!?」
「普通、お友達になるところから始まって、段々気持ちを伝えるものなの。それを凛は毎日毎日…そりゃ怖いわ!!!」
「それは……はい」
どうして初めての告白の前に真希に相談しなかったの、私。
過去に戻りたい。
「でも、とりあえず。凛なりに頑張ってきたんでしょ?約束の日まで頑張りなよ」
その言葉にさらに泣けてくる。
「キッパリ諦めるなんて言わなきゃよかったー!」
「はあ~」
真希に泣きついてもどうにもならないのは分かってる。今はただ、自分のアホさが憎い。
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