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放課後。
窓の外の空は曇りで、今にも雨が降りそうだ。
そろりそろりと廊下を歩いて、1年A組を、後ろの扉からこっそり覗く。
すれ違いに、
「あれ?沢野ちゃん今日休みかと思ったよー」
と名前の知らない男子に声をかけられた。
このクラスで私を知らない人はいない。
いつも、朝も、昼休みも、来ていたから。
壱也くんは帰り支度をしていて、そんな後ろ姿にまで見とれてしまう私は重症だ。
すると、クラスの女子がノートを持って壱也くんのところへ行った。
勉強を教えているのかな。
2人で1冊のノートを見て、壱也くんが指差ししながらなにか話してる。
そして…ふたりで目を合わせ笑い始めた。
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