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今まで、私にとって恋は縁遠いものだった。
「壱也くん、好きです」
放課後の教室のど真ん中。
生徒達がパラパラと下校していく中、私は大好きな人に告白をした。
けれどそれを冷やかしたり、野次馬したりする人はもういない。
中には「お疲れ様」なんて声をかけてくれる人もいる。
「ありがとう、沢野さん。今日も…」
壱也くんは、いつも戸惑いながら「ありがとう」と言ってくれる。
沢野凛、高校1年。
私は今、絶賛片思い中だ。
密かに温めかった彼への想いも、周囲にバレているこの状況も、訳あってこうして開き直っている。
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