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鈍色週間におさらばして、一刻も早く高藤さんに会いたくて、いつもより1時間近くも早く家を出てしまった。到着したオフィスはまだガランとしていて人もまばら。高藤さんの営業三課の島も誰もいない。早く来ないかな、高藤さん。そんな事を考えながらパソコンを立ち上げていたら、営業の田中部長が通りかかった。
「早いね、藤崎さん。」
「おはようございます、田中部長。連休明けなので早めにメールとかチェックしようかと...。」
「そうかそうか、それは殊勝な心掛けだ。うん...感心感心。」
田中部長はそう呟きながら部長席へと歩み去った。うっ、ごめんなさい。たった今考えた言い訳ですぅ。ホントは高藤さんのお姿を拝みに来たんです。
まあでもホントに早く来たのは正解だった。10連休で鬱々と鈍色週間を過ごしていた間も、世間では時間がちゃんと流れていて、注文メールやら問い合わせのメールがどっさりと届けられていた。よしっ、せっかく早く来たことだし、頑張りますかー!
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