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「実はね...結婚するの。授かり婚ってやつ...。」
うん、美人さんはどんな表情でも可愛いわ。少し俯き頬をほんのり赤らめて、恥ずかしそうにそう言った美間さんは、今までのバリキャリのイメージと違って、既に新妻、ママの幸せオーラを発してる。
っていうか、ええっーーー?けっこん?!えっ、じゃあお相手は...
「たっ、高藤さんとっ?!」
「やだっ、違うわよ。社外の人。幼なじみなの。うふっ。」
うふって、美間さーん、可愛い過ぎるんですけど。そうなのかい。それにしても私の異動、急過ぎない?今日聞いて、今日異動とかないでしょ?
「ごめんね、それでちょっと体調も悪くて。今月いっぱいで退職させてもらうことにしたの。多分、有給消化させてもらうし、今週中位になると思う、出社するの。その間になるべく引き継するから、頑張ってね。」
美間さんの言葉を聞いて、それはもう不安しかない。そんな私の表情を読み取った美間さんは、優しく微笑んで説明を付け加えてくれた。
「大丈夫だよ、私が担当していたお客様は高藤くんに引き継ぐから。藤崎さんは、アシスタントだけで良いんだよ。」
ふぇーん、それでも今までのノンビリムードの一課とは違うと思う。お願い、美間さんっ、辞めるの辞めてーーー!!
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