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「俺、嘘つくの苦手やねん。なんか嘘つくとき、毎回首のうしろ触ってしまうらしい」
放課後、2人きりの教室。
同じ中学の人がいないから知ってるのはお前だけ、誰にも言うなよ、と言い、くしゃっと笑う顔はなんだか可愛らしい。
日直の仕事でたまたま一緒になっただけなのに、思いがけず知った2人だけの秘密。
あの日から、なんとなく彼を目で追ってしまう。
男子とも女子とも仲が良く、教室の真ん中でいつも笑っている彼。
「じゃあ、神崎とかは?」
突然聞こえた私の名前。
彼のグループの誰かが発したようだ。
「全然、好きじゃねーし。」
はっきり答える彼。その右手は首のうしろにある。
ホントは傷つくことを言われたはずなのに、なぜか頬が赤く染まる。
誰も知らない、私だけにわかる彼のキモチ。
いつか直接、伝えてほしい。嘘偽りのない本当の言葉で。
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