それぞれの色。

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 「読み通りの展開になったな」  翌日の昼休み、いつも通り岳海蒼丸で集まると、蒼ちゃんがコンビニで買ってきた納豆手巻き寿司の海苔をぐちゃぐちゃにしながら、タブレットのコメント欄を読んでは口角を上げた。  「不器用か。てか、読んでたわけじゃないだろうが。たまたま願い通りになっただけだろうが」  『フィルム剥いでご飯転がすだけなのに、何でこうなるよ?』と蒼ちゃんにツッコミを入れながら、拓海がたまごサンドに齧り付いた。  「しかしさ、俺、ちょっと分かんないんだけどさ、肯定派もアンチもどんな感じでコメントすんのかな? 心持ちっていうの? コメント欄の意見ってさ、俺らにだけ向けたメッセージを書き込む人って極少数じゃん。【私はこう思うの。みんなもそうだよね⁉】みたいなテンションの人、多くね? 俺さ、俺らが作った作品を沢山の人に見て欲しいって欲はあるんだけど、自分の考えを知らない多くの人に聞いてほしいって考えた事もないからさ。『俺はこう思うなぁ』って頭の中だけで終わる。もしくは家族とか、がっくん、拓海、マルオに話すくらいで、文字にしてやろうって気がないっていうか。てか、マルオの弁当めっちゃ美味そうやん」  蒼ちゃんが、上手に海苔を着られていない手巻き寿司を頬張りながら、羨ましそうにマルオの弁当を覗いた。
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