何色でもない。

11/69

108人が本棚に入れています
本棚に追加
/377ページ
 俺に『天才』と言われた事に気を良くしたのか、蒼ちゃんはあっという間に残りのシナリオを描き終えてきた。が、すぐには撮影に入れなかった。と言うのも、全員部活が忙しかったからだ。    「へぇー。マルオって美術部なんだ。女の裸体モデルとか見ながら描いたりするの? いいなー。俺も入っちゃおうかな」    蒼ちゃんが下心満載の質問をマルオに投げかける。    「そんな事をしたらPTAがざわつくって。今、丸裸のりんごをいかに美味しそうに描けるか頑張ってるよ。がっくんは?」    マルオが『次はがっくんの番です』とばかりに俺に話を振った。    「俺はサッカー部」    「なるほど。がっくんは女子にモテたいわけね。前髪長くもないのに調子に乗ってヘアバンド付けて3年に嫌われてみてよ。面白いから」    俺の返事にまでいちいちボケる蒼ちゃん。
/377ページ

最初のコメントを投稿しよう!

108人が本棚に入れています
本棚に追加