それぞれの色。

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 「確かに悪質なコメントをわざわざして、それに共感して欲しいっていう気持ちは理解しがたいけど、取るに足らない事をつぶやいちゃう人の気持ちは何となく分かるけどな、俺。俺、今はめちゃめちゃ楽しいんだけど、岳海蒼丸でつるむ前まで、結構毎日つまんなかったのね。しょうもない事を呟いて、それに誰かが反応してくれると、なんか安心するんだよ。蒼ちゃんには分かんないかもしれないけど、そう人もいるんだよ。学校でいじめに遭ってる子とかなら尚更そうなんじゃない? たわいもない話、誰にも出来ないんだからSNSでするしかないじゃん。案外、心の拠り所になったりするんだよ、SNSって」  蒼ちゃんに諭すように話すマルオ。しかし、  「イジメられっ子の逃げ場でもあるけど、イジメの悪口を言い合う格好の巣窟でもあるけどな」  拓海が実も蓋もない事を言い、  「マルオみたいな考え方のヤツ以外は、自己顕示欲と承認欲求の塊だけどな。構ってよ‼ 注目浴びたいの‼ 的な」  俺も救い様がない事を口にした。マルオが諭さなければならなかったのは、蒼ちゃんだけはなかったのだ。
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