それぞれの色。

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 そしてやってきました。2年の夏休み。また岳海蒼丸の撮影が開始される。  例によって、前日に拓海を抜いて作戦会議。  「どうやって拓海を驚かそうか」「それは拓海も笑うわ」    などと、最早視聴者そっちのけで拓海をいかに楽しませるかに焦点を合わせ出す、蒼ちゃんとマルオと俺。  早く拓海に自分の頭を見せたいし、蒼ちゃんとマルオの出来栄えも気になって、明日になるのをワクワクしながら待った。  当日になり、ウキウキしながら集合場所に蒼ちゃんの家に。  蒼ちゃんの部屋のドアを開けると、既に拓海とマルオが到着していた。  拓海が俺の頭に視線を送り、  「やっぱりがっくんもか。イヤ、分かってたけどね」  怒る気にもならなかったのか、『お前らはまた…』と言って笑った。そして、
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