それぞれの色。

53/97
前へ
/377ページ
次へ
 「はい、最後。マルオ。…どうしたんだよ」  拓海がマルオの頭のインパクトに腹を抱えて笑った。  「イヤ。本当はアフロにする予定だったんだけどね。圧倒的に髪の長さが足りなくて…」  マルオが紫色に染まった縮れ毛頭をポリポリと掻いた。  「イヤ、やる前に美容師さんに言われただろ。『この長さじゃアフロにならないよ』って」  拓海が『ヒィヒィ』と笑いながら、『どう考えても短いわ』とマルオの髪を指で摘まんだ。  「マルオの頭に紫の陰毛が突き刺さってる」  マルオの奇行に俺も笑うと、  「モザイク編集、結構だるいんだからなー。マルオ、出番多いのにー」  蒼ちゃんも一緒になって爆笑。  「でも、インパクト大でしょ」  みんなが笑った事に満足そうに、マルオがドヤった笑顔を見せた。
/377ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109人が本棚に入れています
本棚に追加