それぞれの色。

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 その夜、帰宅しSプロから『会ってみたい』って言われてると家族に話すと、歓喜した母と姉に抱き付かれ、保険大好きな父には『大学にさえ行ってくれれば、あとは好きにしたらいい』と言われた。  母と姉と抱き合ったのは、多分小学校の低学年以来だと思う。  岳海蒼丸にいると、度々この様なミラクルが起きるから面白い。  【ウチは問題なくOKだった】  と岳海蒼丸のグループLINEにメッセージを送ると、  【俺の親も賛成してくれた。彼女も喜んでくれた】  それにマルオが反応し、全く以て不要な彼女の心情まで報告してきた。  【俺らに彼女自慢するとはいい度胸だ、マルオよ。もちろん俺ん家も大丈夫】  だからすかさず蒼ちゃんにツッコまれた。  …が、その後2時間経っても拓海だけは返信がないどころか、既読にさえならなかった。
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