それぞれの色。

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 ポケットからスマホを取り出し、画面を確認した蒼ちゃんが、『姉ちゃんだ。ちょっとごめん、出るわ』と律儀に俺らに断りを入れると、スマホを耳に当てた。  「…そっか。良かったわ。すぐ戻るね」  花さんと短い会話をして電話を切ると、蒼ちゃんがしょっぱい顔をして俺たちを見た。  「拓海のことだから、女のところじゃなかったら、俺らが出会った中学に忍び込んで、あの時と同じ席に座って黄昏れてるっていうベタな事をするかと思いきや…俺ん家に来てるらしい」  『なんでウチやねん』と呆れながらも、ホッとした顔を見せる蒼ちゃん。  「やりそー。拓海、そういうのやりたがりそー。俳優志望だし。でもまぁ、見つかって良かったじゃん」  笑いながら蒼ちゃんに頷くと、  「そうだよ。それに今は学校のセキュリティ厳しいから、漫画とかドラマみたいに簡単に入れないからね」  マルオも肩を胸を撫で下ろした。
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