それぞれの色。

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 「とりあえず、ウチに行きますか」  蒼ちゃんがマルオと俺の肩に腕を回した。  「行きますか。拓海、人騒がせな奴め」  と、俺も蒼ちゃんの肩に腕を絡ませ返す。  「ねぇ、ウチらこんなテンションなのに、拓海泣いてたらどうする?」  一応俺らと肩組みをしたものの、優し過ぎるのか、心配症なのか、マルオは『もう少し明るさ抑えめで行かない?』と、拓海を慮った。が、  「あ、おかえりー」  蒼ちゃんの家に行き、リビングに入ると、マルオの気など知るはずもない拓海が、花さんに作ってもらったであろうおにぎりを、元気良くほっぺたに蓄えていた。  「おかえりて。お前ん家じゃねぇわ。俺ん家だわ」  蒼ちゃんがパンパンに膨らむ拓海の頬を指で押した。
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