それぞれの色。

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 「つか、何でわざわざケンカ中の俺ん家に来て、メシ食ってるんだよ。普通、がっくんかマルオの家に行かね?」  蒼ちゃんが、『残りのおにぎりは俺の部屋で食え。移動するぞ』と、拓海の前に置かれたおにぎりの皿をトレーに乗せた。  「ケンカなんかしてないじゃん。意見が合わなかっただけじゃん、俺ら」  拓海がキョトンとしながら立ち上がる。  「はぁ⁉ 俺のこと『邪魔だ‼』って言ったくせに」  蒼ちゃんもキョトン返す。  「…あぁ。言ったわ。それは俺が悪いわ。まじゴメン。考えなしに言ってしまったわ。だってさぁ、誰も俺に同意してくれないんだもん。親に話したら、蒼ちゃんと全く同じ事言われたわ。で、キレて財布もスマホも持たずに飛び出してしまったわ。ホント、良くない。短気なの、良くないよなー。分かってるのになー。直らないんだよなー、俺の気の短さ。  それに、岳海蒼丸の集合場所って言ったら、蒼ちゃん家じゃん? ここに来たらみんないるかなぁと思ったら、蒼ちゃんすらいなかった」  『すまんすまん』と両手を合わせる拓海。
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