それぞれの色。

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 何とかして拓海の夢を守りたい俺も、『8年あれば、何とかなるよな? 卒業出来るだろ?』と拓海に問いかけた後、拓海の返事を待たずに、  「お願いします。お願いします」  と、蒼ちゃんに続いて拓海のお父さんに懇願。  「拓海の夢と、僕たちの活動を、どうかどうかご了承ください。お願いします」  マルオも必死に拓海のお父さんに訴えた。頭を下ろしたままの俺らに、  「…何で俺の事でみんなが俺の親に頭下げてんだよ。俺を使って青春ドラマ風を味わうな、ばか」  憎まれ口を叩いた後、拓海も父親に向かって頭を振り下ろした。  「みんなと一緒に入学しても、みんなと同時に卒業は出来ないと思う。それでも、ちゃんと勉強する。時間が掛かっても卒業する。約束する。だから、3人と一緒に事務所に入らせてください。お願いします」  拓海の前髪は長いから、目は隠れて見えなかったけれど、拓海の足元にポタポタと水滴が落ちていて、それに気付いたマルオまで肩を揺らせ始めてしまうから、俺の目頭まで熱くなってきてしまうし、蒼ちゃんも鼻を啜り出してしまった。
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