それぞれの色。

97/97
前へ
/377ページ
次へ
 「がっくんの大学、聞いたことないな」  「それ、東京?」  「実在する?」  拓海と蒼ちゃんとマルオが首を傾げる、見たことも聞いた事もない大学に受かった。  推薦でアッサリ合格していく3人に焦ってしまい、蒼ちゃんの案に沿ってAO入試を試みて、来年から開校する、Fランかどうかも分からない未知の大学に決めてしまった。  俺だけ別の大学になってしまったが、淋しいと思わなかった。  なぜなら、来年からは事務所が借り上げてくれた家に、岳海蒼丸でルームシェアをする事が決まっていたから。  誰も知らない大学の生活と、岳海蒼丸での活動が待ち遠しくて、胸が高鳴ってどうしようもない。  楽しかった高校を卒業するのは、淋しいさよりもワクワクの方が何倍も大きかった。
/377ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加