赤くて、茶色くて、黒い。

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 蒼ちゃんは、高校時代に動画撮影時にしていた赤髪が相当気に入っていたらしく、大学に入った途端に髪を大好きな赤に染め、以後黒く戻すことはなかった。  そんな蒼ちゃんは、シナリオコンクールに送った脚本がグランプリを獲り、それが深夜ドラマになって高視聴率を叩きだし、脚本のオファーが次々と舞い込んできた。蒼ちゃんがなりたがっていた、【監督兼脚本家兼演出家兼編集】のうちの脚本家の部分は、早々にして叶えた蒼ちゃんを流石だなと思う。だから蒼ちゃんは岳海蒼丸の活動でしか表舞台には出なくなった。まぁ、岳海蒼丸の舞台でも、相変わらず早々に死んでしまうのだけれど。  マルオは、蒼ちゃんの推薦で、蒼ちゃんが書いた脚本のドラマに、役者ではなく美術として参加しだした。元々物作りが得意なマルオは、美術の仕事が楽しくて仕方がない様子。なのでマルオも岳海蒼丸の活動以外では裏方メインだ。
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