赤くて、茶色くて、黒い。

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 俺以外は、岳海蒼丸以外の仕事も積極的にしていたが、岳海蒼丸の仕事さえちゃんとしていれば事務所にとやかく言われなかった事もあるし、個人の仕事がしたい‼ という気持ちも特になかった俺は、焦ることも全くなく、なんなら大学で彼女を作り、みんなに遅ればせながらも大人の階段を上ったりしていた。  3人が単位を取るために必死で仕事を調整している最中、合コンに行ったり旅行したりな俺。  俺と他の3人との間に距離が出来てしまっていることは、気付いてはいたが、ちゃんと見ようとしなかった。だって、相変わらず岳海蒼丸は仲が良く、岳海蒼丸以外の仕事もすべきだよ‼ などと言ってくるヤツもいなかったから。  能天気に過ごしていた事を後悔したのは、大学を卒業してからだった。
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