何色でもない。

18/69

108人が本棚に入れています
本棚に追加
/377ページ
   そんなこんなで、大会やらコンクールやらでなかなか4人が揃えず、撮影に漕ぎ着けたのは夏休みに入ってからだった。  蒼ちゃんからもらった脚本のセリフを覚え、待ち合わせ場所の河原に行くと、蒼ちゃんが美女と戯れながらカメラを向け合っていた。  「なんか裏切られた気分なんですけど」  蒼ちゃんと美女を眺めながら唇を尖らせていると、  「モテないキャラ演じてるけど、実際人気あるもんね、蒼ちゃん」  マルオが少し遅れてやってきた。  「アイツ、彼女連れてきたのかよ。何をちゃっかり楽しんで撮影しようとしてるんだよ」  そして、拓海も到着。  3人が揃った事に気付いたのか、蒼ちゃんと美女が手を振りながらこちらへと駆け寄ってきた。  走っている最中に美女が何かに足を取られ、転びそうになったところを、『危ない』と美女の手を握る蒼ちゃん。
/377ページ

最初のコメントを投稿しよう!

108人が本棚に入れています
本棚に追加