赤くて、茶色くて、黒い。

14/44
前へ
/377ページ
次へ
 「……ボイスレッスンかぁ。どうせ時間有り余ってるし、いいかもね」  頷きながら蒼ちゃんの案に乗っかると、  「頑張れ、がっくん」  蒼ちゃんが嬉しそうに笑った。  「俺、ちょっと黒田さんに相談してくる」  早速マネージャーさんに電話をしようと、自分の部屋に戻ろうとした足を止め、  「ありがとうね、蒼ちゃん」  俺の声を褒めてくれた事、仕事のアドバイスをくれた事のお礼をすると、  「なんだよ、もう」  蒼ちゃんは、恥ずかしそうに少しだけ頬を赤くした。  髪の毛が赤い蒼ちゃんがほっぺたを赤らめてしまうと、頭部全体が赤くなってしまう為、『なんかトマトみたいだな』と心の中で笑いながらリビングを出た。
/377ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加