赤くて、茶色くて、黒い。

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 「蒼ちゃん、3月には卒業出来そうなの?」  久々にシェアハウスに岳海蒼丸が揃った夕食時、9月卒業を逃してしょんぼり気味の蒼ちゃんの顔をマルオが覗いた。  「する‼ ……したい」  卒業する気は満々なのに、今や超売れっ子脚本家の蒼ちゃんには学校に行く時間がなく、自分だけ仕事がなく焦っていた俺と同様に、自分ひとりが学生である事にストレスを感じている様子の蒼ちゃん。  「宣言からの願望」  弱気な蒼ちゃんの発言を笑いながら、拓海が『よしよし』と蒼ちゃんの肩を抱いた。  「がっくんは? 最近どう? ボイスレッスン、いい感じ?」  マルオが今度は俺に話を振った。  「レッスン自体は楽しいんだけどねー、なかなか仕事に結びつかないねー。この前受けたオーディションも多分ダメだろうなー……ん?」  マルオと話をしている時に、テーブルに置いていたスマホがブルブルと震えた。
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