赤くて、茶色くて、黒い。

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 目を細め、受付を通る人々を見ていると、両肩を事務所の人に支えられ、なんとか歩行しているマルオが受付にやって来た。  受付を済ませると、足元をふらつかせながら歩くマルオを連れた事務所の人間が、俺たちの方に向かってきた。  蒼ちゃんの棺に辿り着き、蒼ちゃんの顔を見たマルオは、  「ごめんねごめんね、蒼ちゃんごめん。ごめんなさいごめんなさい。俺の為にこんな事に……。なんで俺を助けたりしたの。死んじゃだめだよ‼ 蒼ちゃんは死んじゃだめなんだよ‼ 俺が死ねば良かったんだ。嫌だよ、蒼ちゃん。戻って来て……」  膝から崩れ落ち、額を床に付けて何度も謝りながら慟哭した。  「何言ってるんだよ、マルオ‼ 悪いのはマルオじゃない。マルオは何も悪くない‼ そんな事言うな‼」  拓海が、悲しそうに悔しそうに奥歯を食いしばって、マルオの肩を抱き寄せた。  慰めるように、俺もマルオの頭を撫でた。  哀傷するマルオに、何て言葉を掛ければ良いのか分からない。だって、蒼ちゃんを失ったのは俺も同じだから。
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