赤くて、茶色くて、黒い。

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 「俺昨日さ、動いてる蒼ちゃんにどうしても会いたくなって、ネットに上げっぱなしだった中・高時代の動画を見たんだよ」  拓海が空を見るのを辞め、俺の方を向いた。  「俺はその頃の写真見た」  「そっか。動画のコメント欄、すごい事になってたよ。蒼ちゃん、物語上で必ずすぐに死んでたじゃん。だから『自分で死亡フラグ立ててたんだ』って言われてた」  何も面白くなさそうに笑いながら話す拓海。  「何ソレ」  面白くない話を聞かされた俺も、当然全く面白くない。  「蒼ちゃん、泣きの演技が出来なかったがっくんに『俺が死んでるのに、何で泣けないんだ‼』って言ってたけど、がっくんが正解だったね。俺ら、泣いてないもんな」  「泣きたいわけじゃないけど、泣きたくないわけでもないんだけどな。泣かないからかな、色んな事が消化出来ない」  モヤモヤとして重く苦しい胸の内を拓海に話すと、『分かるよ』と拓海が俺の背中を摩った。
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