赤くて、茶色くて、黒い。

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 蒼ちゃんの葬儀が終わり、四十九日を過ぎた後、俺たちは4人で住んでいたシェアハウスを出た。  蒼ちゃんがいなくなり、マルオはあれから精神的にも体調面でも崩れてしまい、実家に引きこもってしまった為、事務所の人間に『2人で住むなら、新人に部屋を譲って欲しい』と言われたからだ。  4人で岳海蒼丸である俺らが、『じゃあ、拓海と俺とで住もう』とはならず、それぞれ別のマンションに引っ越した。  岳海蒼丸は、蒼ちゃんの脚本あってのグループだった。『これから岳海蒼丸はどうするのか?』という事務所との話し合いがもたれた時、拓海は『もちろん続ける。存続以外の選択肢はない』と言い切った。当然俺も拓海に同意。2人でマルオの帰りを待つ事にした。  が、マルオの復帰はもしかしたら相当な時間を必要とするかもしれない。最悪、このまま辞めてしまうかもしれない。
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