何色でもない。

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 蒼ちゃんのお母さんの知り合いのカフェだったり、蒼ちゃんのお父さんの部下のおじいさん所有のアトリエだったり。  蒼ちゃんは、周りの大人のコネを総動員して撮影場所を確保していた。  遊び半分のマルオや俺と違って、蒼ちゃんは本格的に取り組んでいた。  何日間か撮り進めていくと、蒼ちゃん・拓海との熱量の違いに心苦しくなったのか、  「俺、足引っ張てるよね。演技、下手くそだし」  マルオの表情が暗くなっていた。  「マルオ、辛い? 楽しくない? 辞めたい?」  蒼ちゃんが心配そうな顔をしながら、マルオの隣に来た。  「楽しいよ。でも、上手に出来なくて申し訳ない。邪魔したくない」  マルオが俯く。
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