何色でもない。

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 「あぁ、拓海はねー。目立つもんねー。イケメンだし」  蒼ちゃんが少し離れたところで休憩中の拓海の方に目を向けた。  「蒼ちゃんだって目立ってるよ」  「それは俺がただ騒がしいからだろ」  「蒼ちゃん、面白いから一緒にいると楽しいんだよ、みんな。だから蒼ちゃんのまわりには人が集まるんだよ」  マルオが蒼ちゃんを羨ましそうな目で見た。  「俺の場合は、人が集まってきてるわけではなく、人が集まっているところに首突っ込んでるだけだけど。つか、『蒼ちゃん、面白いから』の『面白い』の前に(イケメンではないけど)って言葉、絶対あったよね。飲み込んだよね、マルオ。だって、俺の事が拓海と同じ様に目立って見えていたなら、『蒼ちゃんも目立ってるよ、イケメンだから』って言っても良かったはずだよね、さっき」  蒼ちゃんが不貞腐れだした。
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