何色でもない。

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 「蒼ちゃんって、人懐っこいですよね」  花さんと2人で、マルオとじゃれ合う蒼ちゃんをぼんやり見つめる。  「好きな人だと特にベタベタしちゃうんだよね。うちの家族はみんなそう。よく家族で『馴れ馴れしくしすぎないように気を付けないとね』って注意し合ってる」  『やばい家族だよね』と花さんが眉を八の字にして笑った。  「どうりで。実は俺もマルオと同じで『蒼ちゃんと花さん、怪しくね?』って勘ぐってました。蒼ちゃんの家族からしたら普通の距離感だったんですね」  「距離が近すぎて気持ち悪かったりしない?」  花さんが、『直接蒼ちゃんに言いづらいなら、私から注意しておくよ』と、さっき蒼ちゃんがマルオにしたような心配そうな顔を俺に向けた。
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