何色でもない。

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 「2人共、頑張れよ‼ 俺は次もすぐ死ぬ」  蒼ちゃんが他人事の様に、マルオと俺の二の腕をパシンと叩いた。  「またかよ、蒼ちゃん」  『ずるいな、オイ』と蒼ちゃんの横腹を肘でど突き返すと、  「だって、見ただろ。俺が出てるシーン、姉ちゃんにカメラ任せたらなんかおかしな事になったし、カメラ固定したらみんなが枠から出ない様にって、動けなくなっちゃったし、あそこだけなんか変な絵面になったじゃん。そういうシーンを極力少なくするには、俺が死ぬしかないじゃん」  『俺の分まで生きてくれ‼』と蒼ちゃんが俺の肩を抱くと、『お前らも来い』と拓海とマルオの肩も纏めて抱き寄せた。  「なんで無理矢理出演するんだよ。出ないっていう選択肢はないのかよ」  『そんなにカメラ回したいなら、完全に裏に回ればいいじゃん』と言いながら、拓海がするりと蒼ちゃんの腕から抜け出した。  「それじゃあ、俺だけ除け者じゃん。淋しいじゃん。ちょっとでもみんなと同じシーンに出たいのー‼」  蒼ちゃんが、逃すまいと後ろから拓海に抱き着いた。
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