何色でもない。

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 「とーにーかーく‼ 俺はすぐ死ぬ。即死‼ 今度こそちゃんと泣いてよね、がっくん、マルオ。先回は俺が死んだっていうのに、全然涙出てなかったし‼ 拓海はちゃんと泣いてくれたのに。拓海の愛を感じてめっさ嬉しかったわー」  頑固な蒼ちゃんは死ぬと決め込むと、マルオと俺にダメ出しだした。  「演技だよ。嘘泣きに決まってるだろ」  『愛なんかねぇよ。愛してねぇよ』と蒼ちゃんに冷めた視線を送る拓海。  「イヤ、演技であそこまで泣けない」  最早蒼ちゃんには、自分の都合の悪い言葉は聞こえないらしい。  「演技なんか出来なくていいって、楽しくやればいいって言ったじゃん、蒼ちゃん‼」  そんな蒼ちゃんにマルオが抗議。  「自然に涙出るだろ。俺、死んでるんだよ⁉」  『演技なんかしなくても出るはずじゃん‼ そこは楽しんじゃだめなシーンじゃん‼』と蒼ちゃんが反論。
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