何色でもない。

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 「オイ、お前ら‼ 何やってるんだ‼ マルオから手を離せ‼ 大事な大事なマルオくんが怪我でもして、小道具が作れなくなったらどうしてくれるんだ‼」  蒼ちゃんが、拓海と俺からマルオを引き剥がし、『大丈夫か? マルオ』と言いながら、マルオの腕を摩った。  「オイオイオイオイ。蒼ちゃんがひっ捕らえろって言ったんじゃん」  『何を俺らを悪者にしてるんだよ。なぁ、拓海』と拓海に同意を求めると、拓海が『何なんだよ、蒼ちゃんの白々しい演技は』と白けながら頷いた。  「記憶にない。マルオを傷つけたら許さん‼」  蒼ちゃんがマルオに抱き着き、『マルオにはすぐに脚本渡すね。明日持ってくる‼』とマルオの背中を撫でた。  「どうでもいいけど、俺らの分も脚本持って来いよ。俺ら、すぐ死ぬ蒼ちゃんのセリフ量の10倍はあるんだからな。覚えるの、大変なんだからな」  『いつまで続けるんだよ、この茶番』と、今度は俺がマルオから蒼ちゃんを引っぺがす。  「そうだなー。君たちはオツムが小さいから、覚えるのにも時間が掛かるんだろうなぁ」  『しょうがないから、君たちにも脚本持ってきてあげるよ』と笑う蒼ちゃんに、  「すぐ記憶を失くす蒼ちゃんなんか、脳みそ無いに等しいだろ」  拓海がすかさずツッコミを入れた。  「ひどーい。何でそんな酷い事を言うの? 涙が…『出てない』  嘘泣きをしようとした蒼ちゃんに3人同時にツッコミを入れたところで、次の授業が始まるチャイムが鳴った。  こんな平凡で楽しい毎日を4人で過ごしながら、体育祭や文化祭、修旅ももちろん満喫し、何とかテストも潜り抜け、待ちに待った冬休みが来た。…のは良いが、
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