何色でもない。

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 「あぁ!! もう!! がっくん、頭悪いんだから『はいはい』って言うこと聞いとけよ」  俺を説得するのが面倒になった蒼ちゃんが、貧乏揺すりを始めた。  「素直に『はい』って返事すればいいだけなのに」  『たった2文字』と言いながら、拓海が俺の目の前で人差し指と中指を突き立てる。  「ちゃんとお返事出来たら『いいこいいこ』って頭撫でてあげるのに」  マルオが『早く言っちゃいなよ』と俺の肩を揺すった。  「『はい』って返事したら、頭撫でられたら、俺はA高に行けるのかよ。行けねぇだろうが」  それでも俺は意見を変えない。だって、無理なものは無理なのだ。     「イヤ、行けると思う」「うん。大丈夫」「ギリ行ける」  しかし、拓海とマルオと蒼ちゃんはどこにも根拠がない断言で俺の言葉を打ち消す。  3:1では勝ち目がない。
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