何色でもない。

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 「よし‼ じゃあ、受験が終わるまでは撮影はおあずけな。みんなで行こうぜ、A高‼」  拓海が俺らの肩を抱くと、  「受かるぞ、A高‼」  4人でスクラムを組む様に、互いの肩に腕を絡めた。  そしてその旨を家族が揃って囲む夜ご飯の食卓で話すと、  「あはははははは‼ やめて、ご飯噴出しちゃう‼ 飲み込めない‼」  俺の隣で姉が腹を抱えて笑った。  「【デー】だろ? 【エー】じゃなくて、【デー】だろ?」  父は、俺の言い間違い若しくは自分の聞き間違いだと思っているし、  「お熱でもあるのかしら」  母は俺の病気を疑い、俺の額に自分の掌を乗せた。  「イヤ、A高。俺も今まで、D高の近くを通る度に『ここが俺の母校になるのか』って思ってたんだけど、どうやらそうではないらしい。俺の母校、A高らしい」  『平常で正常』と言いながら、母の手を下ろす。
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