何色でもない。

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 「…見間違いだよ、蒼ちゃん」  あんまりな間違いをする蒼ちゃんにイラっとして、強く握り過ぎてクシャクシャになった自分の受験票を『良く見ろ』とばかりに蒼ちゃんの胸に叩きつけた。  「悪意がなくとも、その見間違えはやっちゃだめ」  拓海も蒼ちゃんに注意をすると、  「ちょっと笑えないよ、蒼ちゃん」  マルオも蒼ちゃんを責めながら、俺の背中を撫でた。  「視野が狭い奴らだなぁ、もう」  蒼ちゃんが、肩を寄せ合う拓海とマルオと俺の背後に回り、3人纏めて後ろから背中を押した。  そして、蒼ちゃんに後ろからグイグイ押され、末尾の受験番号が貼られている掲示板の方まで連れて来られた。  俺らの受験番号は、担任が早めに願書を出した為に早番だった。  だから、こんなところに連れて来られても、俺の番号はあるわけがない。
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