何色でもない。

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 母の電話を切ると、母から連絡をもらっただろう父の【よく頑張った。おめでとう】というLINEメッセージと、姉からのおめでとうLINEスタンプが受信されていた。  スマホの画面にぶつかって広がった涙を、制服の裾で拭っていると、  「がっくん、大丈夫?」  心配したマルオが俺の頭を撫でた。  「…俺、繰り上げ合格だって。A高、みんなと一緒に行けるって‼」  マルオに抱き着くと、  「やったー‼」「良かったー‼」  蒼ちゃんと拓海も覆いかぶさって来た。そして、  「がっくん、おめでとう」  マルオが泣き出すと、  「本当におめでとう」  蒼ちゃんもつられて泣いてしまった。  「がっくんももちろんおめでとうだけど、俺らもおめでとうだろ」  そんな二人を見て、拓海は苦笑い。
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