何色でもない。

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 「全然分かんねぇわ、その理論」  と細い目をする俺を他所に、  「マルオでいいよ‼ 俺、やりたい‼ 一緒にやろうよ、がっくんも‼」  蘭丸は目をキラキラさせながら俺の腕を揺すった。蒼汰の書いた話を読んだわけでもないのに撮影がしたいという蘭丸はきっと、ほぼほぼ1軍に属する蒼汰と何かが出来るという事が嬉しいのだろう。  「…まぁ、いいけど。俺、【がっくん】かよ」  こうして俺の呼び名は【がっくん】に、蘭丸のあだ名は【マルオ】になった。もう少し捻りのあるカッコイイ呼び方はないものかと思ったが、そんな事よりも撮影が楽しみでワクワクした。だって、仲の良いマルオと得体の知れない蒼汰とする撮影が楽しくないわけがないから。絶対に面白いに決まっているから。
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