それぞれの色。

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 笑顔で喜び合うマルオと蒼ちゃんとは正反対に、拓海の表情は暗い。  今回のコンクールでも、拓海への評価はなかったから。  「…俺、下手くそなのかな。演技」  拓海が肩を落として溜息を吐いた。  「拓海が下手くそなら、俺らはどうなるんだよ。この4人の中でまともに演技が出来ているのは拓海だけじゃん。てか、拓海の演技が悪いなんてどこにも書いてないやん」  落ち込む拓海の肩に手を置くと、  「良くも悪くも書かれないって事は、興味をそそらないって事だろ? 誰の目にも留まらないって事だろ、俺の演技は」  拓海が唇を噛みしめながら俺の目を見た。  「俺は好きだよ、拓海の演技」  拓海の言葉を、首を横に振りながら否定すると、  「俺も好き‼」  マルオも俺の意見に同意した。
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