それぞれの色。

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 「そうだね‼ ほら‼ 気持ち切り替えて、がっくん‼」  マルオが俺の肩をポンポンと叩いた。  「え⁉ 俺⁉ 拓海じゃなくて⁉」  『ウダウダ言い出したの、拓海じゃん‼』と拓海を指差すと、  「これが現実なんだよ、がっくん。イケメンはいつだって無罪なんだ」  蒼ちゃんが俺の人差し指を握り、そのまま静かに俺の腕を下ろした。  「くっそぉぉぉおおお‼」  世の中の理不尽さに反逆の意を込め、拓海に飛び掛かり、カッコ良く無造作風にセットされた拓海の髪をぐちゃぐちゃに捏ねた。  「何してんの、がっくん‼」  が、すぐさまマルオに背後から羽交い絞めにされて引き剥がされ、  「イケメンを汚すなよ。画面を汚す気か⁉」  蒼ちゃんには額をパシンと叩かれた。  「そんなボッコボコの顔で映ろうとしてる蒼ちゃんに言われたくないよ‼」  蒼ちゃんのオデコを叩き返そうとする俺の手首を、  「イチイチ口答えすんなって。『蒼ちゃんの顔ボッコボコ』もさっき俺が既に言ったヤツだし。繰り返す意味ないっしょ。ホラ‼ 撮影、撮影‼」   俺がぐちゃぐちゃにした髪を、サッと手櫛で整えただけでイケメンに復活した拓海が掴んだ。
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