それぞれの色。

15/97
前へ
/377ページ
次へ
 休み時間が終わり、それぞれの教室へ。  俺のクラスの授業は英語。超苦手。いつも『俺、日本人なのに。世界共通語、日本語にならないかな』とありえない妄想をしながら、今日も先生が黒板にせっせと書き込むアルファベットを、ただ眺める。  受験の時は入るだけ詰め込みたかった英単語も、今となっては脳が扉を開かない。北海道の冬か? という程の二重サッシをしっかりキッチリ締め切ってしまっている感じだ。  なので、机の下でスマホを弄るべくポケットから取り出すと、  【すまん。落選、俺のせいだったらしい】  蒼ちゃんからグループLINEが届いていた。  【やっぱりな】  拓海がそれに反応。 【ねぇねぇ、最新のコメント欄見てみて。ちょっと面白い流れになってるよ】  マルオからの返信もあり、岳海蒼丸の中に真面目に授業を受けている人間が誰1人としていない事が発覚。まぁ、分かっていたけれど。いつもの事だけれど。
/377ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109人が本棚に入れています
本棚に追加